気付いたら歩き出していた
おだやかな風が吹いていた
真っ直ぐに延びたこの道が
遠くで海に繋がった
年老いた人に出会った
おだやかな風が吹いていた
ちいさな手のひらはずっと
僕の手を握りしめていた
気付けば二人で歩いてた
ゆるやかな雲が流れてた
年老いたあなたはずっと
僕の手をみちびいていた
手をさしのべて 静かな空を見上げ
歩け 今も光は迷わず僕を照らしてる
そこから見える景色はきっと素敵だと
年老いたあなたはずっと
この歳になってもいまだに
海をみたことがないって
微笑んでそっとつぶやいた
年老いたあなたがずっと
なくさずに大切にしてた
透明なかけらをきっと
届けて欲しいと託された
その先に広がる海を
代わりに見せて欲しいと
その先に広がる海を
見せて欲しいと微笑んだ
気付くとあなたがいなかった
おだやかな風が吹いていた
いまもどこかであなたは
大きな海の夢みてる
やすらぎを届ける風がやんでも
手をさしのべて 静かな空を見上げ
歩け 今も光は迷わず道を照らしてる
ここから見える景色は優しくて
今も光は 迷わず僕を照らしてる
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