あの日見た花の色は
♪
ずっとそばにいると思っていた
綺麗な花ほど先に摘まれていくんだ
問いかけた返答は孤独に
虚空に消えていく
全て投げ出したはずの両手から
零れ落ちる 砂のよう
時間がとまったままの僕を
きっと君は許さないだろう
振り上げた後悔に
帰る場所すらわからずに
鳴り響く静寂
静まり返る慟哭 号哭
あの頃にはもう戻れない
全ては変わった
自分でついた嘘に気づかず
鍵をかけて強引にしまい込む
一面の花畑の中で
どんな花を選ぶのか聞かれた
一番綺麗な花が欲しいと答えて
世界の真実の欠片を知った
あの日見た花の色は
今もまだ消えないままで
目を閉じても浮かぶなら
なんて名前をつけよう
夏の陽炎が幻を見せる
呼吸をしても苦しいままだった
手が届かないからなおのこと
あの日の明日がずっと欲しかった
誰も気に留めない路傍の花を
自分の真実を知る君が
綺麗だねって振り返るから
変わらないものもあると思えた
夜の帳の隠れん坊
打ち上がる花火 置き去りに
それぞれの道がまた一つに交差して
あの日見た花の色は
今もまだ褪せないままで
目を閉じても咲き誇り
ここにいるよと歌っている
♪
もういいかい
宿り木に芽吹いた花に
久しく鳴らぬ鐘に
真夏に降る雪に
僕のすべてを知る君に
あの日失った絵の具の色に
もうどこにも在るはずのない色に
けれど確かに微笑む白に
もういいかい
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