Kishore Kumar Hits

カンザキイオリ - 進化劇 текст песни

Исполнитель: カンザキイオリ

альбом: 白紙


「夢はいつか叶う」
「諦めたら駄目だ」
そんな綺麗事ばかりが好きな彼女だった
その日いつものように安いバイトを終えて
重いドアを開けても彼女の「おかえり」は無かった
死んでいた
冷たかった
綺麗だった
可愛かった
傍らには白紙の遺書が置いてあった
物書きになろうと思ったのはつい最近の話だ
彼女の死を僕だけが知らなかったからだ
その後、葬式はいつのまにか終わり
僕は元のバイトで稼ぎながら書いた
小説の主人公は、君と同じ名前だ
プロのアーティストを目指し上京した女の子
ありきたりな話を自慢気に書いていた
先輩には馬鹿にされ
バイト先を辞めた
貯めた貯金を種に死んだように書いた
君のそばに行けるような気がしたのはまぐれだ
あらすじはこうしよう。
「夢はいつか叶う、諦めたら終わりだ、負け犬にはならない」
「私の今までが報われるその日まで」
「私の今までを勝者だって笑うために」
「私の今までを勝者だって歌うために」
もっといろんなものを書いてみたくなった
なんとなく応募した
世の中はどよめいた
空白で埋もれていた今までの人生が
雨の香りのように辺りに散らばっていく。
金が湧いて人が湧いて
その中で笑った
僕はやっと今こそ
全て報われたのだ
お金の使い方が荒くなったある日
好きでもない後輩との飲み会で言われた
「過去になって良かった」
「今、幸せそうですね」
金があって、人があって、女だって捨てるほどいて
ああ、こんなものが幸せだったのか
彼女の遺書が家のどこにも無くて
そうだ、つい最近何食わぬ顔で捨てた
もはや生きる意味と成り果てた小説の
きっかけなんて小さなものだった。
変わり果てた家の家具
君の匂いは弾けた
涙した、崩れ落ちた、醜く、苦しく
それでも僕だけが生きるのだ。
金が湧いて、人が湧いて
そんな僕の歴史だ
ああそうだ
僕すらも知らない君が死んだ意味を
僕すらも知らない君が生きた意味を
僕すらも知らない君が死んだ理由を
僕はずっと白紙の過去に刻みたいのだ。
僕すらも知らない君が生きた日々を
僕だけが知ってる君が死んだ日々を
「夢はいつか叶う」
「諦めたら駄目だ」
そんな綺麗事ばかりが好きな彼女だった
その日いつものように安いバイトを終えて
重いドアを開けても「おかえり」は無かった
そこにいつものような彼女の笑顔はなく
傍らには白紙の遺書が置いてあった
彼女の死を僕だけが認めたくなかった。
物書きになろうと思ったのはそんな理由だ

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