そっと耳澄ます
静寂に身を重ねて
けして聞こえぬもの
今なら聞こえてこよう
遥か 遠く
そっと空掴む
滑り落ちてゆく闇
いつか遠くに見た
麗しきその姿
思い 描く
――今宵
永き夜をして
得体の知れない モノどもと
あなたは――
聞きたい
あなたの息遣いが
聞きたい
あなたの花開くのが
聞きたい
あなたの空を踏むのが
聞きたい
あなたの纏う幻想が
そうして、夜のほとりをひとり
舞い踊るものよ。
夜が
暴かれきってしまったのなら
きっと 照らされてしまうから
夜の
どこか
あなたの姿がみえない
空を介して
あなたと
同じ空気に触れては
あなたと
同じ闇に身を重ね
あなたと
同じ空を掴み取る
あなたの
声をこの夜に聞こうとして
だから
聞こえる
あなたの息遣いが
聞こえる
あなたの花開くのが
聞こえる
あなたの空を踏むのが
聞こえる
あなたの纏う幻想が
今 こんなにも
そうして、夜のほとりにひとり
咲き誇るものよ。
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