曇天の大都市に 耳鳴りがぱちり
願ったり 縋(すが)った覚えなど 無いけど
大事変混沌の立役者 演者
記憶とさ 傍(はた)迷惑の 継承
汚れてしまった世界で
止まない雨に 嗤(わら)ったり
灰に変わった世界で 確か
有限を夢見たんだ
最終走者(アンカー)は走る 結末へと
終わりにしようか ここらでさ
たった一度のイレギュラー
少年は完全を拒んだ
奇跡も何も 無い世界で
ブラウン管の夢を 見れたなら
なんて素敵な事でしょう
神は 今 標的と為(な)る
転生神童の解答や 如何(いか)に
今更 平凡に恋焦がれたり
交差点喧噪(けんそう)に 少年がぽつり
何卒(なにとぞ) 後は宜(よろ)しくと
二人ぼっちの世界で
最後に手にした林檎は
たいそう調味料の味がして
愛しく思えたんだ
最終走者(アンカー)は走る 結末へと
主役の残骸(ざんがい)を 踏みつけて
地球最後のチャンスは
存外無責任に託された
奇跡も何も 無い世界で
おとぎ話だって 嗤(わら)えたら
なんて素敵な事でしょう
神は 今 標的と為(な)る
泥沼掻(か)いて網にかかって
祭り上げんだ 天才偶像
どの道寒い延命処置で
イキがれなんてさ もう嫌だ
カミサマずっと一人でさ
出来っこ無い理想(ゆめ)を追いかけて
馬鹿な僕らにゃそもそも
飴は いらないんだ
最終走者(アンカー)は走る 結末へと
終わりにしようか ここらでさ
夢を見るため僕らは
夢の無い世界を望んだ
奇跡の匣(はこ)が 無い世界で
それなりに生きて 死ねたなら
なんて素敵な事でしょう
神は最終章の今 標的と 偽(な)る
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