「お願い 乾かして」
「嫌だよ 面倒臭いから
でもどうせやるまで頼むんでしょ?」
僕は嫌々ドライヤーかけた
そんなやり取りがほぼ毎日続いて
いつしか当たり前になってた
だけど紅葉の葉のように君は
冬の冷たい風に吹かれていった
君を嫌いな振りをして
君を嘲笑いたくて
そうしたらきっと忘れられるはずと
そんなこと思っても
君を嫌いになれなくて
君に忘れられたくもなくて
ダメだね 僕のこういうとこ
♪
「お願い 乾かして」
その言葉が聞きたいって何度思ったか
君が録画してたあの番組
今週でもう終わるんだってさ
♪
本当はね 嬉しかったんだよ
ドライヤーしてって言ってくれること
君とひとつになれてる気がして
僕を必要としてくれてる気がして
君の髪の匂いを思い出す
♪
君を嫌いになりたくて
君を嘲笑いたくて
そうしたらきっと忘れられるはずと
そんなこと思っても
君を嫌いになれないんだ
君に忘れられたくもないんだ
ダメだね 僕のこういうとこ
転がってるドライヤー
きっと立ち直れないや
今はもう役に立たないガラクタ
「ねぇ 君に会いたい」
届かない言葉つぶやく
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